個人投資家の取引データを用いて、含み益のある銘柄を早期に利確し含み損のある銘柄を長期保有する傾向(ディスポジション効果)の実態を検証した。データはネット証券の匿名化された個人口座約10万件の売買記録(2018年〜2021年)を使用し、各ポジションの取得原価と売却タイミングから利確比率と損切り比率を算出した。結果として、含み益ポジションの売却確率は含み損ポジションの約1.8倍であり、ディスポジション効果の存在が明確に確認された。この行動バイアスがポートフォリオリターンに与える影響を推計したところ、ディスポジション効果の強い投資家群は弱い投資家群と比較して年率約2.3%のリターン劣後が見られた。ポジション保有期間、含み損益率、銘柄特性による条件分析の結果も詳述する。