主要ESG評価機関(MSCI、FTSE Russell、Sustainalytics)のスコアが日本株のリターンにどのような影響を与えるかを、複数の視点から実証分析した。対象はTOPIX500構成銘柄で、各評価機関のESGスコアを用いて五分位ポートフォリオを月次リバランスで構築し、2012年から2020年の期間のパフォーマンスを比較した。全期間を通じた分析では、ESG高スコア五分位と低スコア五分位のリターン差は年率0.3%〜0.8%と小さく、統計的有意性は限定的であった。ただし、ESGスコアの改善(前年比上昇)に着目したモメンタム型アプローチでは、改善上位群が年率1.5%の超過リターンを記録し、スコアの水準よりも変化方向がリターンとの関連性が高いことが示された。評価機関間のスコア相関の低さ(0.5〜0.7)についても言及し、ESG投資の実務上の留意点をまとめる。