作成日:2021年7月月31日

PBR1倍割れ銘柄の超過リターンとバリュートラップの検証

PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る銘柄群のリターン特性を分析し、いわゆるバリュートラップのリスクがどの程度存在するかを検証した。対象は東証一部上場銘柄で、毎月末のPBRに基づき銘柄を五分位に分類し、翌月リターンを計測した。2005年から2021年までの期間では、PBR最低五分位のリターンはTOPIX対比で年率0.8%程度の超過にとどまり、低PBR銘柄が必ずしも魅力的な投資対象とは言えないことが示された。特にROEが継続的に低水準にある銘柄ではPBRの回復が見られず、資本効率の低さが株価の構造的なディスカウント要因となっていた。一方、PBR1倍割れ銘柄のうちROEが改善傾向にある銘柄に限定すると、超過リターンは年率3.5%に向上し、ファンダメンタルズの変化を組み合わせたスクリーニングの有効性が確認された。PBR水準だけでなく資本効率の動態を考慮した銘柄選定手法について提案する。