作成日:2022年9月月03日

ティックデータから見る大口約定の市場インパクト分析

東証の全約定データ(ティックデータ)を用いて、通常の約定サイズを大きく上回る大口約定(全体の上位1%)が発生した前後の価格変動パターンを分析した。対象は日経225構成銘柄の2021年1月から2022年3月までの約2年分のティックデータで、約定サイズの閾値は銘柄ごとの出来高分布に基づき動的に設定した。大口買い約定の発生後には即座に0.05%〜0.15%の価格上昇が観察されたが、その後5分以内に約半分が巻き戻される一時的インパクトの特性が確認された。恒久的インパクトとして残存する部分は約定サイズの平方根に概ね比例し、既存の理論モデルと整合的であった。大口売り約定のインパクトは買い約定と比較してやや大きく、売りの情報優位性を示唆する非対称性が観察された。