公募投資信託への資金流入が個別銘柄のリターンにどのような影響を与えるかを、グレンジャー因果性の枠組みで分析した。対象は国内株式型投資信託のうち純資産総額上位30ファンドで、月次の資金フローデータと組入上位銘柄のリターンデータを2015年から2023年にかけて収集した。資金流入が大きい月には、当該ファンドの組入上位銘柄群が市場全体を上回るリターンを記録する傾向が確認され、この効果は時価総額が小さい銘柄ほど顕著であった。ただし、この超過リターンは一時的なものであり、翌月以降に概ね反転する「価格インパクトの巻き戻し」が観察された。パッシブファンドとアクティブファンドで効果の大きさに差異があるかについても比較分析を行い、フロー主導の価格歪みが投資機会となりうるかを検討する。