日米金利差の拡大に伴い上昇を続けてきた為替ヘッジコスト(ドル円ベース)が、外国株投資のリターンに与える影響を定量的に分析した。為替ヘッジコストは短期金利差にクロスカレンシーベーシスを加えた値で決まるが、近年はベーシスの変動がコスト全体に大きな影響を与えるケースが増えている。2010年から2023年までのデータを用いて、S&P500のドル建てリターン、為替ヘッジコスト、円建て無ヘッジリターンの三者の関係を月次で分析した。ヘッジコストが年率5%を超える環境下では、ヘッジ付き外国株投資のリスク調整後リターンが国内株式を下回る期間が長期化することが確認された。投資家にとっての実務的な判断基準として、ヘッジコストの閾値別にヘッジ比率の最適水準を推定するフレームワークを提示する。