作成日:2024年11月月20日

ペアトレード戦略の共和分分析と実運用上の課題

統計的裁定の代表的手法であるペアトレードについて、共和分関係に基づくペア選定手法の有効性とその限界を検証した。対象は東証プライム上場の同一セクター内銘柄ペアで、エングル=グレンジャー検定およびヨハンセン検定を用いて共和分関係の有無を判定している。2015年から2024年までのデータを用いたアウトオブサンプルテストの結果、共和分関係が検出されたペアによる戦略は年率シャープレシオ0.8前後を実現し、相場環境への依存度が低い安定的なリターン特性を示した。ただし、共和分関係の持続期間には限りがあり、推定ウィンドウのローリング更新が不可欠であることも明らかとなった。特にセクター再編や企業の事業構造変化が共和分関係の崩壊を引き起こすリスクについて詳述する。