株主優待制度を実施している銘柄において、権利確定月の前月に株価が上昇し、権利落ち後に下落するという季節的アノマリーの実態を検証した。対象は株主優待を実施する東証上場銘柄約1,500社のうちデータが連続的に取得可能な銘柄で、2015年から2023年までのデータを使用した。権利確定月の前月リターンは平均+1.2%と正値を示し、権利落ち後5営業日のリターンは平均-0.8%であった。ただし、この効果は優待内容の人気度と個人投資家の保有比率に依存する部分が大きく、すべての優待銘柄に一様に適用できるわけではない。さらに、近年の東証の資本効率改善要請を背景に株主優待制度を廃止する企業が増加しており、廃止発表時の株価への影響についても事例分析を通じて検証する。