配当権利確定日(権利付き最終日)とその翌営業日(権利落ち日)にかけての株価挙動を分析し、配当落ち分の価格調整が理論的な水準から乖離するケースにおける裁定機会の有無を検証した。対象は東証プライム上場銘柄のうち年間配当利回りが2%以上の銘柄で、2015年以降の権利確定日データを使用している。理論上は権利落ち日の株価下落幅が1株当たり配当金と一致するが、実際には税制の影響、配当再投資の資金フロー、先物のベーシス変動などにより体系的な乖離が生じうる。分析の結果、権利落ち日の実際の株価下落幅は予想配当の約85%〜90%にとどまるケースが多く、この乖離は税引き後の理論値と概ね整合的であることが確認された。ただし銘柄ごとのばらつきが大きく、裁定戦略として安定的に収益化することの困難さも併せて示す。